食・環境不安、老い・子育ての不安、経済不安はじめ、混沌とした時代で幕開けしてしまった21世紀。
「いったい何を大切にして生きていきていけばいいのだろう? 今私たちは自らの価値観を問い返し始めています。20世紀後半、モノの豊かさによって、超スピードで私たちは快適・便利さを手にしましたが、同時に多くの負も背負ってしまいました。次世代への責任を感じずにはいられません。
時代は、あらためて今、“食”“環境”“福祉”“暮らし”全般を見つめはじめています。心安らかに季節を感じ、大地の恵みと息吹きを肌で感じることができる当たり前の暮らしを多くの人が望んでいます。安心して地域で暮らし続けたい、そんな素朴な思いが人々の願いです。

私たちの生活基盤はどこまでいっても“地域”にあります。広域移動・広域流通が可能になった現在においても、モノだけではない“人の介在”が心の支えになります。今までも人々は困った時に“お互いさま”の力を発揮してきました。地域コミュニティのなかで、自治会活動・PTA活動・子ども会活動・市民活動・文化活動・生協活動などいずれにおいても、動きやすい必要なしくみと担い手を生み出してきています。阪神淡路大震災の時には、他者の被害にそれぞれが胸を痛め市民の自治の力を発揮しました。
市民の思いがストレートに社会に役立つ「実のある成果」へと繋がりました。
21世紀のキーワードは『地域コミュニティの“力”』です。このような人の支え合いによるセーフティネットがあれば安心できます。『地域コミュニティの“力”』…これが今後の暮らしやすさの指標となるでしょう。地域の人材が豊かになっていけば、街は活気づき、おのずと生きがいを感じられる場が作られ、心の交流が生まれていくでしょう。

さぁ、新たなコミュニティの芽が育ってほしいと願う人たちの気持ちを一堂に集めましょう。
まずそのために応援するための資金を集めて基金としましょう。
そして、この基金(応援資金)が生かされる流れをつくり、活躍するグループ・団体へ応援資金が公正に配分する仕組みを創り、これらの考え方を定着させ、地域に根付かせましょう。
これが“街づくり夢基金”創設の根幹です。
この基金は、市民の手による「地域・街づくりの応援資金」であると同時に、街づくりを意識する人たちの有機的なつながりを生み出すことになるでしょう。

私たちは、一人一人の市民の想いをここに結集して“街づくり夢基金”を創設します。
担い手づくりの有効な基金活用となるように、立ち上げの趣旨を生かし、透明性をもった基金組織を市民の手によって運営していきます。
またこれによって得られた情報共有こそが、また新たなノウハウと元気を波及させていくはずです。
私たちが描く街づくり これらを実現していくために、ここに“街づくり夢基金”を多くの市民によって創出し、参加する仲間を増やし、支えあい、活用していきます。

2003年11月29日 基金呼びかけ人会議一同